塗装工事の保証書って意味がないって本当?
社長ブログ
塗装工事の保証についてChatGPTを論破してみたw
一般に高額な、かつ長期の耐用年数が期待されるサービス・商品には保証が付帯します。
新築住宅や車、家電等等、1年から長いと10年にも渡る保証が付いてきますよね。
屋根外壁塗装工事も上記の高額な、かつ長期の耐用年数が期待される商品に該当するかと思われます。
この塗装工事の保証制度、業者によって対応はまちまちです。
・1年程度の短期保証のみ行う業者
・10年もの長期保証を謳う業者
・有償による保証を行う業者
・全く保証しない業者
ユーザーサイドから見れば、長期保証をしてくれる業者が魅力的に見えるのが当然かもしれません。
でも、これって要注意なんです。
理由は後ほど述べます。
ここで、一般的なユーザーさん目線で、ChatGPTに聞いてみたんです。
塗装工事の保証って必要ですか?と。
以下その答えになります。
ChatGPT
塗装工事の保証は通常、非常に重要です。以下は、なぜ塗装工事の保証が必要かについての理由です:
- 作業の品質保証: 塗装工事の保証は、施工業者が提供するサービスの品質を保証するものです。これにより、施工後に問題が発生した場合、修正が行われる保証があります。品質の低下、剥がれ、ひび割れ、変色などの問題が発生する可能性があるため、品質保証は重要です。
- 信頼性の向上: 塗装工事の保証を提供する業者は、自身の仕事に自信を持っており、顧客に信頼性を示しています。これは、顧客が信頼できる業者を選ぶ際に役立ちます。
- 予算とコストの管理: 保証がある場合、塗装工事の品質に問題が生じた場合、再度の修正や再塗装にかかる費用が発生しないことを保証します。これは、予算をコントロールし、将来的な追加の費用を回避するのに役立ちます。
- 法的保護: 塗装工事の契約に保証が含まれている場合、契約条件を満たすかどうかを法的に確立する手段が提供されます。紛争が発生した場合、保証は証拠として役立つことがあります。
- 顧客の安心感: 塗装工事の保証があると、顧客は自身の投資が保護されていると感じ、安心感を持つことができます。これは、顧客満足度を向上させ、業者の評判を高めるのに役立ちます。
保証の内容や期間は業者によって異なりますので、契約前に必ず確認しましょう。一般的に、塗装工事の保証期間は1年以上が一般的ですが、業者によっては長期間の保証を提供することもあります。保証期間中に問題が発生した場合、業者は無償で修正を行う責任があります。
したがって、塗装工事を行う際には、保証が含まれる契約を締結することをお勧めします。保証に関する詳細は、契約書に明記されているはずですので、よく読み、疑問点があれば業者に質問して説明を受けることが大切です。
はい、さすがChatGPT、隙のない論理に納得させられてしまいますねw
やはり塗装工事を依頼するに当たって、長期保証してくれる業者が良い、という結論になりそうです。
ところが、
塗装工事においては、上記の論理は成り立たないことがほとんどです。
ここで、塗装工事の保証書に必ず記載されている、一般的な免責事項をお読み下さい。
免責事項
以上のとおり、今般御用命賜りました塗装工事につきまして、上記の如く保証致します。
但し、下記の不可抗力等による支障は除外します。
記
・天災地変、異常気象に起因する事故
・建物の構造上の欠陥、躯体素地、旧塗膜に起因する事故
・当該施工部位以外の発生事故、弊社材料以外での発生事故に起因する事故
・通常の経時変化による塗膜の劣化(変退色および塗膜のチョーキング等)
・クラック等による塗膜内部への水回りによる塗膜の剥離及び変色
・大気汚染、付着物による汚染、引っ掻き等の物理的原因に起因する事故
・その他協議により不可抗力と認められる事故
・結露等の構造及び下地材に起因する事故は責任対象外と致します。
・シーリング材上の塗膜並びにシーリング材に起因する事故
・材料の摩耗による損傷及び当該事項に起因する事故
・下地から発生するサビ、および周辺からのもらいサビによる塗膜の剥離など、外観変化。
・その他不可抗力と認められる事故
ずいぶん多いな、と感じられたのではないでしょうか?
要するに塗装工事における補償とは、著しい塗膜の剥離や色褪せについての保証なんです。
逆に言えば、その他のトラブル、例えば雨漏りやシーリングの破断、目地汚染、発錆などは全て保証対象外です。
さらには、一般的によく見かける塗膜のヒビも保証対象外です。
これは下地に起因するトラブルであり、寒暖差や地震等の応力で下地が伸縮した結果、発生します。「躯体素地による事故」にあたり、保証対象外です。
もう一つ、これもありがちな塗膜の膨れさえも対象外なんです。
膨れは水分の影響により発生します。上記同様、下地の水分によるものなので、保証対象外となります。
その他、想定可能なトラブルは、免責事項でほぼ全てブロックされます。
主たる保証内容である著しい剥離や変退色、こちらも現実には滅多に起きませんし、万が一起きたにせよ、免責事項に該当する事由によるものと思慮されます。
結論として、保証書は、実際には何も保証していない、ということになります。
では、何故業者は意味のない保証書を発行するのか?
単純に、仕事を受注したいからです。
保証制度がお客様のニーズだと認識しているからです。
保証の有無が、業者選定のキーポイントになりうる、だとしたら、やらなきゃ損だ、ということです。
「他の業者は長期保証をしてくれる」
これ、商談最中に何度かお聞きしたフレーズです。
私はお聞きします。
「もちろん、当社も保証書は発行できます。ところで、その保証内容は、具体的にどういうものですか?」
「よくわからないけど…。」
これが実際です。
保証の中身を精査して理解していない限り、ChatGPTなみに優秀な頭脳をお持ちの方でも判断を間違えるということなんです。
保証制度の本質とは?
以前お客様にお聞きしたことがあるんです。
完了検査後のお引き渡しの際でした。
ふと思いついて「保証書って必要ですか?」
そうしたらその奥様「いらないわよ。そんなの無くたって、何かあれば来てくれるんでしょ」ですってw
信用していただいているんだな、ありがたいな、と強く感じたものでした。
私達が目指すところはここです。
小手先の販売促進策ではなく、本質的な信頼を得ること。
今回の投稿で、気持ちを新たにした次第です(9`・ω・)9頑張リマス.+゚*。:゚+