家じまいと「実家リノベ」のすすめ:住まいを未来へ繋ぐ選択肢
社長ブログ
欧米では「子や孫の代まで住み継ぐ」文化が根付いていますが、日本では相続した住宅を売却するか建て替えるケースが主流でした。
その背景には、住宅の耐久性や資産価値を高める家づくりが十分に行われてこなかった点が挙げられます。
しかし近年、新築価格の高騰や物価・建築コストの上昇により、ライフスタイルに合わせて中古住宅をリノベーションする動きが増えています。
特に実家をリノベーションし、新たな価値を持たせて住み続ける「実家リノベ」が注目されています。
今回は、実家リノベの魅力と注意点について掘り下げます。
実家リノベが注目される背景
実家リノベが増えている理由は、新築コスト削減だけではありません。以下のような要因が絡み合っています。
• 家族の思い出を残したい
実家には親や祖父母の思い出が詰まっています。
その歴史を次の世代に引き継ぎながら、自分たちのライフスタイルに合う住まいへと刷新できます。
• 移住希望者の増加
都市部から地方への移住希望者が増え、実家の空き家をリノベーションして住むケースが増えています。
• 環境負荷の軽減
既存の建物を活用することで、新築に伴う廃材やエネルギー消費を削減できます。
実家リノベの主なメリット
1. 建て替えよりコストを抑えられる
解体を避け、元の建物を生かしてリノベーションすれば費用を大幅に削減可能です。
工事の規模によって異なりますが、フルリノベーションの相場は以下の通り
• マンション:15~20万円/㎡
• 戸建て:20~25万円/㎡
部分的なリフォームならさらにコストを抑えられます。
2. 補助金・減税制度の活用
国や自治体の補助金制度を活用すれば、リノベーション費用の一部を負担してもらえます。
耐震改修や省エネ化、多世帯同居対応の改修は減税対象となる場合もあります。
3. 住み慣れた土地で安心して暮らせる
慣れ親しんだ地域で暮らせる安心感は、実家リノベの大きな魅力です。
コミュニティに溶け込みやすく、近隣住民との関係も築きやすいでしょう。
実家リノベを計画する際の注意点
実家リノベにはメリットが多い一方で、注意すべきポイントもあります。
1. 建物の劣化状況を確認
古い建物には柱や梁の腐食、耐震性能不足などの問題が潜んでいる場合があります。
ホームインスペクション(住宅診断)を専門家に依頼し、リノベーションが現実的かどうかを見極めましょう。
2. 名義や相続税に注意
リノベーション費用を子どもが負担する場合、不動産名義が親のままだと贈与税が発生する可能性があります。早めに相続手続きや名義変更を検討しましょう。
3. 耐震性能の確認
特に昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた住宅は、耐震性能が不十分な場合があります。耐震診断を受け、必要に応じて補強工事を行いましょう。
4. 断熱性能を改善
日本の住宅は断熱性能が低いものが多く、ヒートショックや健康被害のリスクがあります。リノベーションの際に断熱性能を向上させることで、快適性と健康面の安心感を得られます。
5. 将来のライフスタイルを考慮
将来のライフスタイル変化(出産、二世帯同居など)を見越して間取りを設計すると、長く快適に住み続けられます。
実家リノベを成功させるために
「実家リノベ」は、家族の思い出を守りながら、住まいを現代のニーズに合わせる選択肢です。費用面でも新築や建て替えより抑えられ、補助金や減税制度を活用することでさらに負担を軽減できます。
一方で、計画段階で専門家に相談し、劣化状況や耐震性、税務リスクを確認することが重要です。まずは住宅診断を実施し、実家リノベの可能性を見極めましょう。
当社では、ホームインスペクションからリノベーションの提案、施工までを一貫してサポートしています。思い出の詰まった実家を、新しい生活の舞台として蘇らせるお手伝いをさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください!